長岡技術科学大学ベンチャーである株式会社パンタレイ(代表取締役・佐藤靖徳工学博士)が、円筒の後ろにリングを付けることによって発生する「縦渦」によって回転力を生み出すまったく新しい原理を発見し、低回転でも高いトルクを生み出すことに成功した。
この「縦渦リニアドライブ」風車は、従来の風車に比べてゆっくり回るという特徴があり、ブレードを使わない。平均的な太陽光パネルが1㎡で発電できる電力は70Wほどだが、このパンタレイ風力発電機は200Wの発電量があるという(理論値)。しかし、従来からの羽式風車と比べると発電力が弱い。
現状の縦渦リニアドライブ風車の発電力は、発電用風車に広く使われている羽式風車の10分の1程度の発電力ではないかと推測されており、特に、風車の周りのカバーをつけて発電力を強化した「レンズ風車」はカバーのない羽式風車の2~3倍の発電力となるので、実用化には縦渦リニアドライブは今後の研究成果が求められる。
一方、安全性としてはメリットがありそうだ。円筒とリングとの距離を調節することで回転力をなくすことができるので、自然風を利用する場合でも強風時には回転しないようにできるので安全性を確保できることが特徴だ。
レンズ風車を開発すると発表したバルミューダ社ともども、今後のパンタレイ社の成果を注視したい。