製造業は、開発がうまい企業になろう!

 顧客が設計した部品を生産しているだけでは、いつ受注が途切れるかわからないグローバル競争時代。オリジナル製品で自社の存在意義を示さなければその不安は消えません。今までエンドユーザーとの接点が薄かったからと、いつまでも避けてはいられませんよね。

 幸いにして、グローバル競争時代においてもメイドインジャパンは好評で、ひとつのブランドです。憧れの目で見つめられるブランドではありながら、世界中で使われているほど拡散しているわけでもないので、まだまだ拡大の余地があります。そのブランドを活かせば貴社のオリジナル製品にも競争力がプラスされるでしょう。それに、かつてないほどに国も海外進出やものづくり企業の支援策を打ち出しています。

 今まで高いハードルだった資金調達や高額な試作費の問題も、ついに国内で1億円の受注を超えたプロジェクトが生まれるほどクラウドファンディングが一般に受け容れられたことや、3Dプリンタをはじめとしたオンデマンド生産技術の普及が進んでリスクがとても低くなりました。

 今や、オリジナル製品に取り組むリスクより、取り組まない潜在リスクの方が大きいと言えます。あとは、自らが“商品開発がうまい企業”に変わればいいだけです。

開発がうまい企業とは

1) マーケティングファースト体質

 製造業の会社が失敗してしまいがちなことが、自社の事情から商品を発想してしまうことです。受注型の業務としては当然なやり方でも、開発テーマを発想する段階では技術や設備の制限を一旦離れて、まずは買う人の事情から発想すること。それに真摯に向き合わなければヒット商品は生まれません。

 たまに「自分の発想を形にしてヒット商品を生み出した」という逸話を聞くことがありますが、それが可能なのは商品ニーズを誰よりも理解している“自分自身がヘビーユーザー”という人だけで、多くの場合には、メーカー内部の者よりもユーザーの方がこだわりは大きいものです。

 開発がうまい企業なら、自分が誰にも負けないヘビーユーザーをめざしつつ、一方で“ユーザーに教えてもらって商品を開発する”という、マーケティングファーストな企業体質をめざしましょう。“売る”のが営業力、“売れる商品をつくる”のがマーケティング力ですから、製造業に本当に必要なのはマーケティング力です。そして、マーケティング力を持った製造業こそ最強です。

 また、マーケティングファースト体質になった製造業には、オピニオンリーダーやメディア関係者も味方になってくれます。

2) 流通とのグリップは、なる早!

 製品を販売してくれる流通企業との交渉は、製品が完成してからではなく、なるべく早い段階から交渉を始めることが販売成功のツボです。早い段階から相談しておくことで、完成したら本当に売ってもらう関係を築いていきます。実際に販売するのだという参加意識のもとに、売りやすい商品、つまりエンドユーザーが積極的に買ってくれる商品になるよう、販売現場でユーザーの声に触れてきた知見を投入してもらって一緒に製品の魅力を磨き上げていきます。

 では、そういう流通パートナーを選ぶ際に、どういう会社に相談すればいいのでしょうか。一般に流通は、大卸、仲卸、小売店といった段階構造になっていて、注文ロットやアイテムの種類、商圏の広さが違います。製造業の会社としては、流通の順路的な考えから卸事業者に先に相談してしまいがちですが、卸事業者の日常は即応スピードを顧客に求められているので、まだ完成していない商品の相談にはあまり乗れません。

 だから、開発段階の相談に乗れるのは小売店なのです。常にエンドユーザーの声に接している小売店の販売員は、市場のニーズをよく把握しています。

 上手な販路開拓とは、小売店から大卸に向かって遡っていく逆回りです。それも、卸事業者側から相談させるようにするのがベストです。

 そのとき注意したいのは、小売店には顧客ターゲットを絞った店も多く、意見にも偏りが多いので、個々の意見に振り回され過ぎないことと、製品の仕様に盛り込むべき意見の取捨選択を見誤らないようにしましょう。

3) プロモーションはゲリラ作戦

 小売店とグリップできても、大規模チェーン店でもない限り十分な受注量を確保できるとは限りません。むしろ不足なことの方が多いでしょう。そこでプロモーション活動が重要になってきます。

 どんな問題を解決できる製品なのか、製品が提供するメリットがしっかり錬られている製品なら、どんな人たちに喜ばれるかも想定できるので、コンセプトづくりで想定した人たちに伝わる、できるだけ短く、わかりやすいメッセージをつくります。

 伝わりやすさにこだわったメッセージができたら、次はどうやって伝えるかです。中小企業のプロモーションはコストパフォーマンス優先なので、コストの割にリターンが薄いマスメディアは使わずに、WEBやSNSを使ったローコスト且つ直接的なプロモーションが向いています。まずはYahoo!やGoogleといった検索サイトに溜まっているビッグデータをタダで使って、顧客候補へのアプローチに使いましょう。これは驚くほど安くプロモーションができます。

 そうやって掴んだユーザー特性をもとに、WEB以外でも対象をぐっと絞って展開すれば、とても効率的にお客さまを拡げていけます。

1) 受注してから完成させる。

 今話題のクラウドファンディングとは、生産着手に必要最低限の受注数量を決めておき、製品をつくる前に購入者を一般公募する“受注後生産型”のスキームのこと。

 通常の販売では、売れるかどうかわからない状態で生産に踏み切らなければなりませんが、クラウドファンディングでは、自ら決めた最低数量の受注が達成されるまでは製造しなくてすむので、売れない在庫のリスクを負わなくてもよいという特徴があります。

 また、クラウドファンディング利用のメリットは、ただ資金調達ということだけに止まりません。例えば、海外での販売を計画しているのなら、米国のクラウドファンディングを利用することで、海外市場へのプロモーションにもなります。


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